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京都府京都市 保健福祉局生活福祉部保険年金課

京都市役所。道路を挟んで向かい側には「本能寺の変」で有名な本能寺がある。

 3月5日からマイナンバーを年金関係の届書に原則記載することになった。2月27日にマイナンバー利用に伴う「国民年金市町村事務処理基準等の一部改正」の通知が発出され、1週間足らずでの施行だったが、京都市では、マイナンバー利用の円滑実施に向け、2月には年金事務所(日本年金機構)および窓口の区役所とも事務処理内容の確認や調整を進めてきた。施行直後の京都市のねんきん最前線を取材した。

2月の市と年金事務所および区との会議では
年金届書への原則マイナンバー記載への対応が議題に

保険年金課の新谷道一さん

 「まず京都市がマイナンバーにどう対応していくかを年金機構と調整させていただいたうえで、窓口業務を行う区に対して事務処理内容を伝達することになります。そのため事務を変更する場合などは、国と年金機構にはなるべく早く情報提供していただきたいですね」
と同市保険年金課の新谷道一さんは話す。

 年金機構では、平成29年1月から、マイナンバーによる年金相談・照会を受け付け、基礎年金番号がわからない場合でも、マイナンバーカード(個人番号カード)を提示すれば、年金相談を受けられるようにした。しかし、その後、8月に国からはマイナンバーの事務処理案が出たが、それ以降はQ&Aなどの情報提供はあったものの、市に対する説明会などは直前まで開かれなかったと言う。

 3月5日からは、これまで基礎年金番号を記載していた年金関係の届書には、原則として住民にマイナンバーを記入してもらう。これにより、被保険者の住所変更届(受給権者の住所変更届は平成23年7月から省略を実施)および被保険者・受給権者の氏名変更届は個人番号と基礎年金番号が紐付いていれば、年金機構への届出が省略できる。また、これまで受給権者のみ省略できた死亡届が、国民年金第1号被保険者についても個人番号と基礎年金番号が紐付いていれば、省略できるようになった。こうしたことから、2月の年金事務所との連絡調整会議では、マイナンバーへの対応が大きなテーマになった。

 「実際に年金事務所ではマイナンバーにどう対応するのか、そうした年金事務所のスタンスを踏まえて、区の窓口では住民にどう受付対応したらいいのか、年金事務所と調整させていただきました。たとえば、『原則マイナンバーを記入』とした場合、年金事務所が『原則』の範囲をどう考えているのかが、一番知りたかったことです。年金事務所との意見交換を通じて、年金事務所が考える『原則』についてのスタンスもだいたい分かりました。その一方で、マイナンバーカードがないからといって、手続を受け付けないということがないようにということが国の事務連絡にも書いてありましたし、たとえば、年金手帳を持ってきた場合でもマイナンバーを記載してもらうのかというケースを想定した場合、京都市のシステムでは現在、基礎年金番号がアクセスキーになっているので、住民には基礎年金番号で手続をしていただく京都市の方針を年金事務所にもお伝えしました」
と、陶山係長は、3月5日を目前に控えた、年金事務所との連絡調整会議のやり取りを話してくれた。

西京区役所の真本弘基係長

山科区役所の永濱和代係長

 では、3月5日以降、区役所に手続にきた住民の対応はどうだったか。

 「実際に年金関係の手続で持参してくるのは年金手帳・年金証書で、届書にもマイナンバーではなく、基礎年金番号が記載されていたので、これまでと同様に、年金手帳で受け付けています」(西京区役所の真本弘基係長

 「原則、届書にマイナンバーを記載していただくようになり10日ほどたちましたが、マイナンバーカードをお持ちになる住民はいません。基礎年金番号を記載し、年金手帳と身分証明の運転免許証をお持ちになる住民がほとんどです。その一方で、年金請求をする方は必ずマイナンバーを持ってきます」(山科区役所の永濱和代係長

 「請求書にマイナンバーを記載することで、省略できる添付書類があるということが、年金請求される住民には大きなメリットになっているようだ」と話す陶山係長は、住民サービスの向上が年金請求書ではマイナンバー記載のインセンティブとして働いているとみる。

 年金請求時を除き、年金関係の届書には基礎年金番号が記載されていても、年金機構には住民のマイナンバー登録が進むようにはなっている。市町村が使う住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)とマイナンバーは紐付いているため、定期的に市町村から年金機構に報告する異動通知書には、システムによりマイナンバーを印字して年金機構に送付することになっているからだ。

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