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兵庫県神戸市 保健福祉局高齢福祉部国保年金医療課国民年金係

神戸市役所。24階には展望ロビーがある。

 いま、市町村の国民年金の現場では、相談業務に説明責任が強く求められるようになり、協力・連携事務の過重な負担が市町村に重くのしかかる。変貌する協力・連携事務に、市町村はどう対応し、国とはどういった協力・連携体制を構築すべきなのか。兵庫県の神戸市国民年金係に「ねんきん最前線」を訪ねた。

平成28年の「特定事由に係る保険料の納付の特例制度」で
相談業務の説明責任が強化

――市町村における協力連携の事務量が増加してきているとともに、協力・連携事務の中身については、どのような変化がみられますか。

 年金制度は、平成14年以降、年金記録問題第3号不整合問題などの影響から、年金制度の事務管理体制にも社会の厳しい目が向けられるようになりました。さらにそれは、記録管理業務だけではなく、相談業務の不備や誤りをも厳しく追及することにもなっています。もちろん、誤った事務処理や説明をした職員は相応のペナルティが課せられることは当然だと思われるかもしれませんが、相談業務に説明責任が厳しく求められるようになったことで、相談に当たる職員には、かなりの精神的なプレッシャーを与えることになっています。平成28年4月から「特定事由に係る保険料の納付の特例制度」が新設されたことで、『加入するときに、付加年金の説明を受けなかった。免除制度の説明がなかった。そのために付加保険料を納付できなかった。免除を受けられなかった。』などと住民から申し出があった場合、職員に説明漏れがあったとなれば、事務処理誤りの事案となって年金事務所から報告されています。そうなると、市町村の窓口では、あらゆる事態を想定し、説明漏れがないようにあれもこれもお伝えしなければならなくなっています。そうした結果、職員の精神的な負担とともに、相談業務に要する時間も手間も増えることになっているのです。

――行政サービスの向上や住民の年金権の確保のために行っていた年金相談に、過重な説明責任まで問われるようになり、良かれと思ってやってきたアドバイスも、説明漏れや誤りがないよう、厳格で、義務的な相談に様変わりしてしまったということですね。

 そうなると、またまた、協力連携の交付金のあり方やその算定方法も変えていただかなければいけません。さらには、協力連携の名のもとに実施されている事務について、そこまで市町村に責任を求めるというのであれば、その事務のあり方や位置づけも見直さなければいけないということに議論は発展しかねません。しかし、そもそも協力・連携事務というのは、国と市町村がともにいっしょになって取り組む事務だったはずです。問題が起きたときも、双方ができることを考えて、ともにいっしょになって対応していかなければいけない事務と考えるべきではないでしょうか。

――市町村にとっては、量的にも質的にもますます負担が増え、現場は大変ですね。

 このように事務負担が増えるなか、神戸市の区役所では、国民健康保険と国民年金の事務の両方を担当しながら、職員はがんばっています。市町村の職員が国保と国民年金とを併任することは住民にとってもメリットはあります。国保の手続から国民年金の手続へと連携のとれた対応は、どちらか一方の手続のし忘れを防ぐことにもなりますし、国保・国民年金の一体的な情報提供は、制度ごとにぶつ切りにされた情報を提供されるより、住民のみなさんにとっても、効率的で、理解しやすい説明になっているはずです。

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