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寒河江年金事務所(山形県寒河江市)

 山形県寒河江市はさくらんぼの一大生産地であり、「寒河江温泉」の名で知られる温泉地でもあるほか、慈恩寺や出羽三山関連の寺社仏閣が多い。寒河江年金事務所は、職員数21名という小規模事業所ではあるが、平成28年度はお客様の予約率、お褒めの言葉の数、国民年金保険料の強制徴収最終催告納付率が全国第1位となった。そこには、サービス向上や目標達成のため、職員一人ひとりが自分たちでできることを考え、全所体制で取り組んだという背景がある。

職員一人ひとりが課題と改善策を考え、全課で取り組む

温泉地でもある寒河江市

温泉地でもある寒河江市。街中には足湯もある

寒河江市のマスコットキャラクター

寒河江市のマスコットキャラクターはさくらんぼの妖精

 寒河江年金事務所がある寒河江市は、山形駅から電車で30分程度、山形県の内陸部に位置する。同事務所は寒河江市、村山市、東根市、河北町、西川町、大江町、朝日町の3市4町(合計人口は15万4,113人=平成28年3月末)を管轄。職員数は21名(正職員10名、特定職員11名)という小規模事務所である。
 高澤有美所長は、東京都、江東区年金事務所のお客様相談室長、南関東ブロック本部(現南関東地域部)管理部総合調整G参事役を経て平成28年4月に寒河江市年金事務所長の任に就いた。自身にとって初の東北勤務であり、かつ初の所長職。「自分に所長という重責が務まるのか不安もありましたが、立派なことはできないので職員と同じ目線でいることを心掛け、所内が活気に溢れ、みんなが働きやすい環境作りをすることが、事業目標の達成にもつながるのではないかと考えました、また、地域に受け入れていただくことも重要だと思いますので、関係機関との協力連携を大切にしています。所長ひとりで何ができるわけではないので、職員みんなと一緒に考えながら仕事ができたらいいなと思っています」(高澤所長)。
 着任してまず取り組んだのは、お客様サービスの向上に対する職員の意識改革。「日本年金機構では再生プロジェクトとして『自ら考え、自ら改革する』をコンセプトに取り組んでいますが、地方の小さな事務所で何ができるかのか職員みんなで考えた結果『自分たちでできることをやってみよう』ということで、お客様サービスの向上のため、年金相談の予約制拡充に取り組みました」(高澤所長)。
 また、各課の対策会議のあり方も見直した。ただ数字の報告をする従来の対策会議ではなく、職員一人ひとりが事務所の課題や弱点を分析し、どうしたらその課題を克服し目標達成できるのかを話し合う『戦略会議』としてもらった。
 「管内の国民年金保険料の納付率、事業所の厚生年金・健康保険の保険料の収納率とも全国平均を上回り高い水準となっていますが、更に高い数字を目標として掲げ達成するには、現状の課題・弱点は何か、また地域の特性、市民性、事業所の特徴等をあらゆる角度で分析することが必要となります。各課その課題等の分析や改善策の提案をしてもらい全課で取り組んでもらいました」(高澤所長)。
 その結果、予約率は年度当初7%程度からスタートしたにも関わらず、8月には30%を超え全国1位となり、平成29年1月には80%を超え全国1位の予約率を常に維持し、全国平均の17.1%を大きく上回る結果となった。
 予約をしていただくことで、事前準備ができスムーズできめ細かな相談対応を心掛けることで、お客様からお褒め言葉をいただく機会が増えてきたそうだ。詳細は、後出の橋本悦子お客様相談室長の説明を参照)。

高澤有美所長 写真1

高澤有美所長

 また、国民年金保険料の納付率も伸び、特に強制徴収最終催告納付率は平成28円10月末には94.29%と全国1位を獲得している(詳細は、後出の清野秀明国民年金課長の説明を参照)。
 「お褒めの言葉については、気恥ずかしいところもありますが、お客様から感謝されることで、より親切・丁寧な対応をし、お客様へのプラスワンを心掛けることにも繋がっています。お客様からの沢山のお褒めの言葉をいただくと、機構本部より感謝状が届きます。それを全体朝礼などみんなの集まる場で授与し、その功績を喜び称えることで、また遣り甲斐をもって日々のお客様対応をすることができ、サービスの向上に繋がります。これは多様なお客様の対応をする窓口業務を第一線で頑張ってくれている特定契約職員の皆さんにとって、明確な目標となり意識の向上、モチベーションアップのきっかけとなってほしいという目的があったからです」(高澤所長)。
 「せっかく仕事をするなら楽しくやろう」というのも高澤所長のスタンス。職員たちの話によると、「高澤所長は各課の席を回って、職員と話をして盛り上げたり、特定契約職員の話も聞いて正規職員にアドバイスしてくれたりもしている」という。
 同事務所では職員向けの研修にも力を入れており、お客様相談室主催で、他課の職員や特定契約職員が自主的に参加できる相互研修(相談対応職員育成研修)を月2回行っている。逆に国民年金課主催の研修会にお客様相談室職員が出席することもあり、それぞれの職員が知りたいことを研修できる体制をとっている。

 「寒河江の職員は勉強熱心でスキルも高いですが、10年短縮年金など大きな制度改革に少ない職員数で対応するには、すべての職員が年金制度に通じて対応できる体力作りが必要だと考えています」(高澤所長)。

高澤有美所長 写真2

 今後の目標は、寒河江年金事務所の職員であることに誇りを持ってもらえるような環境をみんなで作り上げること。チーム力と市町村・関係機関の協力で、さまざまな目覚ましい成果を上げている寒河江年金事務所。高澤所長は、「小規模事務所だからこそできることがあります。何事にも前向きに取り組み寒河江から全国に発信していることを職員みんなの自信にしてほしい。プライドと遣り甲斐を持って仕事ができる職場作りにこれからもこだわっていきたいと思います」と語る。

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