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千葉県館山市 健康福祉部市民課 高齢者医療年金係

 館山市は人口約4.8万人(国民年金の第1号被保険者数は8,837人)。『南総里見八犬伝』のモデルとなった戦国大名・里見氏ゆかりの史跡などが残る、歴史あるまちだ。また、画家・青木繁が代表作「海の幸」を描いた地でもある。気候が温暖で自然も豊かであり、東京に近いこともあって、最近は移住してくる人も増えている。館山市では、国年も含め住民票の異動に関する手続きを1つの窓口で行う体制を早くから構築。相談者への説明はわかりやすくし、言葉遣いにも配慮するなど、「市民目線」の窓口対応を心がけている。

国年含め住民票移動に伴う手続きは1つの窓口で実施

 窓口で心がけているのは、わかりやすく説明することだ。「初診日はいつですか」を「初めて病院に行った日は覚えていますか?」と言い換えたり、「就学前」を「小学校に通う前の子」と言い換えたりしている。
 「高齢で耳の遠い方との電話では、はっきりと大きな声で話すようにもしています。また、『詐欺にご注意ください』などの注意書きも色のついた紙で目立つように注意喚起したり、字も大きくするなど読みやすくしています」と市民課副課長・高齢医療年金係長の蛭田広美さんは話す。
 「国・県が私たち市町村に降ろしてくる情報は専門用語で書かれていて難しいですが、それを市民にわかりやすく噛み砕いて伝えるのが市町村の窓口の役目だと思っています」(鈴木さん)。
 言葉遣いにも気を付けている。「コミュニケーション1つで相手がこちらに対して抱く印象が変わってきます。いい印象を抱いてもらえれば情報を伝えやすいですが、ちょっとした言葉で引っかかると、それから先は説明を受け入れてもらえなくなることもあります。特に病気の方の場合は言葉に敏感だと思うので、一層気を付けるようにしています」(三富さん)。
 館山市の特徴は、国年・国保も含め住民票異動に伴うすべての手続きを1つの窓口でできるということだ。窓口の一本化が始まったのは昭和39(1964)年。当時としては珍しい試みだった。
 「人口規模の小さな市だからこそ、いち早く取り組めたのだと思います」(蛭田さん)。
 同市の住民関連の窓口は、国年の窓口も含めて一望しやすいので、来庁者からは職員の動きがわかり、職員からも来訪者の動きがわかる。これも、小さな市ならではのメリットと言える。
 また、昼休みには、金丸謙一市長自らが市庁舎の正面玄関ロビーに立ち「コンシェルジュ」となって、市民の声を直接聴いたり、来庁者に窓口の場所の案内などもしている。「市長は窓口や職員の様子も見ていて、気が付いたことがあると『ここはわかりにくい』『こうしたらいいのでは』などと職員に直接伝えてくれるので、市民目線に立った窓口業務になるよう常に改善しています」(蛭田さん)。

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