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年金・社会保険
掲載:2018年5月15日

海外赴任、さて年金はどうなる?

海外で働く人の年金加入

  日本の人が海外に住むことになれば、日本国籍であっても、その国の公的年金制度に加入することが基本です。同様に、日本に住む人は、日本の国籍を持たなくても日本の公的年金制度に加入することになっています。では、日本の企業で働き、すでに厚生年金保険に加入している人が、その企業から派遣されて海外で働くことになったらどうでしょう。原則、日本と派遣先の国の両方の公的年金制度に加入することになっています。つまり、同じ期間について、両国の年金制度に加入し、双方に保険料を納める義務が生じることになります。

 これについては、次のような問題が指摘されてきました。海外赴任期間が短期の場合、派遣先の国の年金受給に必要な加入期間を満たすことができず、保険料が掛け捨てになってしまうということです。

 このような問題を解消するため、日本政府は各国と「社会保障協定」を結んでいます。これら国々との間では、いずれか一方の制度だけに加入すればよいとされています。なお、協定の対象となる制度は基本的に公的年金ですが、国によっては医療保険や雇用保険も含まれる場合があります。

 今回は、海外で働く人が直面する年金の二重加入を解消するための社会保障協定についてご紹介します。

社会保障協定における加入免除について

 協定は日本と各国との2国間で結ぶものであるため国に応じて内容に違いがありますが、基本的には、①いずれか一方の制度に加入するだけでよい(加入免除)、②受給に必要な加入期間をみる際、両国の年金制度に加入していた期間を足し合わせることができる(年金加入期間の通算)、という内容です(ただし、相手国の制度のしくみによっては、もともと永住者以外は制度に加入する必要がないなど、社会保障協定を締結していなくても、二重加入にならないケースがあります)。

社会保障協定が結ばれているのはどの国

 社会保障協定が結ばれているのはどの国でしょう(図表1を参照)。

 現在、外国に在留している日本人の数は133万8,477人(「海外在留邦人数調査統計 平成29年要約版」外務省)。特に在留邦人が多い国は、アメリカ合衆国(全体の32%)、中国(同10%)、オーストラリア(同6.9%)などですが、アメリカとオーストラリアについては協定が発効済み、また、中国とも実質合意に至っており、近く署名が行われることになっています。その他、在留邦人の多い国との間ではほぼ協定が発効していますが、タイやシンガポールなど未締結の国もあります。

 なお、協定の対象となる制度は公的年金ですが、国によっては医療保険や雇用保険も含まれる場合があります。

■図表1 各国との社会保障協定の発効状況(2017年8月時点)

協定が発効済の国 ドイツ/イギリス/韓国/アメリカ/ベルギー/フランス/カナダ/オーストラリア/オランダ/チェコ/スペイン/アイルランド/ブラジル/スイス/ハンガリー/インド/ルクセンブルク
署名済未発効の国 イタリア/フィリピン/スロバキア

※公的医療保険制度も対象  ※※公的雇用保険制度も対象 (出典:日本年金機構ウェブサイト)

 次頁以降では、「加入の免除」と「加入期間の通算」についてご説明します。

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