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介護
掲載:2018年2月15日

聞いてもらうことの力~傾聴ボランティア~

傾聴ボランティアをしてみたい

向き・不向きはある?

 誰にでもできるとは言っても、向き・不向きがあるのでは?と思う方もいるでしょう。確かに、「自分からよく喋る人、というよりは、聞き上手な人が向いている」と鈴木さんは言います。

 一方で、依頼者にも様々なタイプがあり、なかには、物静かで、自分から喋るのが苦手という人もいます。「よく話す、賑やかな人が来てくれるといいな」というケースもあります。そういう人には、お喋り好きな傾聴ボランティアの人と相性が良いこともあります。「傾聴ボランティアをやりたいと希望する皆さんに活動してほしい、と思ってマッチングをしています」と鈴木さんは話します。

傾聴ボランティアをしてみたいと思ったら…

 傾聴ボランティアをやってみたい!と思った時、まずどうすればよいのでしょう? 資格や何か必要なことってあるのでしょうか?答えはNOです。

世田谷ボランティアセンターに勤務する鈴木佑輔さん。

 

 世田谷ボランティア協会では、年に2回『傾聴ボランティア講座』を開催しています。他の地域でもこうした養成講座があれば、まずは参加することから始めてみましょう。世田谷ボランティア協会の講座では、実際の現場に即したロールプレイなどを行いながら、傾聴ボランティアの知識や理解を深めることができます。そうした講座を通して、実際にボランティア活動が自分に出来そうかを判断してみることが大切です。講座参加者は30~70歳代の方で、実際に申し込む人は50~60歳代の女性が多いようです。

世田谷ボランティアセンターの『傾聴ボランティア講座』(2017年度)

 全6回(全6,000円)の小人数制の体験学習(ワークショップやロールプレイなど)が中心。

〈プログラム〉

①導入(体験学習とは?)

②言葉や態度の理解(言葉以外の態度、ストローク)

③聴き方の理解(ロールプレイで学び、普段の話し方の自覚)

④傾聴の体験(高齢者の気持ちの理解、ケースによるロールプレイ)

⑤価値観の違い(自分の価値観の理解、違う価値観に出会った時の自分の反応の理解)

⑥活動に向けて(活動のためのオリエンテーション)

傾聴ボランティアを行う上でのルール

 ボランティアといっても、世田谷区だけでなく他地域でも厳格なルールに基づいて行われています。ルールがあるからこそ依頼者もスタッフも信頼し合い安心して時間を共有できるのです。

【ルールの例(世田谷ボランティア協会の場合】(応募のパンフレットより)

①活動先(依頼者)の秘密は守ります。

②月2回程度、話す時間は1時間

③物や金銭などは受け取りません。

④緊急連絡先を冷蔵庫など分かる場所に貼っておく※※

⑤困ったことがあったら、ボランティアセンターに相談。

※ 当初は時間を設けていなかったそうですが、時間の約束があったほうが良い関係を築きやすいとわかり、原則1時間となりました。

※※自宅を訪ねると、利用者の方が、体調不良で倒れていた、ということがあったそうです。そんな時、病院や家族などの緊急連絡先を、自宅の目に見える場所に貼っておいてもらい、全員がそれを確認したうえで、ボランティアをスタートさせるようにしています。

長く続けるコツは?

 「傾聴ボランティアに興味はあるけれど、知らない人と話すのって実際のところ、どうなんだろう?」「トラブルが起きることはないのか?」と心配する方もいるでしょう。

 世田谷ボランティア協会では、傾聴ボランティアをスタートさせた利用者の約95%が何の問題もなく継続利用しています。なかには、5~7年も続いているケースもあります。終了してしまう多くはスタッフ側の都合(引っ越しや家族の事情など)もありますが、ご依頼者の入院、引越、死去ということです。

 長く続く理由として、「傾聴ボランティアの人が依頼者のためにかけている時間と気持ちが伝わり、依頼者もそれを受けとめて、感謝している関係性」と鈴木さんは言います。

 依頼者のために傾聴ボランティアの人が費やす時間は、話しを聞く1時間に限りません。その方のお宅を訪問する行き帰りに交通費や時間をかけ、朝起きて「今日はどんなお話しをしようか…」と考えれば、そこから、ボランティアがスタートします。こうした依頼者のためにかける時間と気持ちを依頼者も自ずと理解し、感謝しているからこそ、特に問題もなく、スムーズに継続できているのだと鈴木さんは話します。また、依頼者に必要とされているという点がやりがいにも繋がり、傾聴ボランティアの人も、長く続けたいと思うようです。

 また、「自分なりの話し方を見つけていくことが大事」です。話し方に正解はなく、行った先々で様々なシーンに出会い、その瞬間、瞬間で条件が変わるなかでの柔軟な対応が問われます。「あくまでも相手が中心であることを前提に、自分なりの傾聴ボランティアの形を見つけてほしい」、と鈴木さんは言います。

傾聴ボランティアに求められること

 「話しを聴く」という何気ない日常行動が、場所を変えれば、人を元気に、その人の生きがいにも繋がるかもしれない、それが傾聴ボランティアの根幹です。

 核家族化が進み繋がりが希薄になった現代だからこそ、こうしたニーズは今後ますます増え、傾聴ボランティアが地域で果たす役割はとても重要になってくるでしょう。傾聴ボランティアが気になる、やってみたい、と思ったら、まずは地域で似たような活動がないか探してみてください。

傾聴ボランティア講座受講者の声(受講者アンケートより)

〇活動での喜びは、待っていてくださる方の笑顔です。お会いした時にぱっと表情が明るくなりなり笑ってくださると、こちらも自然と笑顔になります。人のためだけではなく自分のためにもなっています。

〇その人の感じ方や話をそのまま受け取っていく。そうしているうちに段々と話が増え信頼関係が築かれていくと思う。相手が私を待っていて必要としてくださることはとても嬉しい。

〇傾聴ボランティアの活動を始めたころは、役に立てているか不安でした。今は1時間という時間を共有することで役に立てていると実感しています。

〇まだ傾聴ボランティアの活動はしていませんが、必要としている人がたくさんいて、その仲介をしてくれるボランティアセンターはとても重要な役割を担っていると思います。

〇利用する人が「気持ちが軽くなった」「いつもと違う時間が過ごせた」と感じていただければ良いと思います。

〇講座の最後には、参加した方々と親しく話せるようになりました。

〇講座を受講できたのは、自分自身を知るという意味でも有意義な体験でした。

〇利用する人一人ひとりが持っている価値観を大切にすることの大切さを学びました。

〇言葉だけではなく、心を受け止めることを学んだことは、ボランティア活動だけではなく日ごろの人間関係にも役立つと思います。

〇そのときの自分の感情に気付き、それとともに相手の気持ちに気付くことの大切さを再認識できました。

※12月12日に世田谷代田で行われた講座より。

※12月12日に世田谷代田で行われた講座より。

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