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健康
掲載:2017年11月15日

「怒り」とうまく付き合うには?

「キレ」そうになったら

6秒数える、その場から離れる

 では、実際に自分が「キレ」そうになったとき、私たちはどう対処したらいいのでしょうか。

 「怒りはずっと続くものではなく、ピークは長くても6秒程度。6秒たてば、よりよい選択ができると考えられています。怒りを感じたら、まずは6秒待ちましょう(図参照)。怒りがすっかり消えるわけではありませんが、感情的になるあまり後で後悔するような言動をしてしまうことは減らせます。」(安藤さん)

 その際、より効果的なのは、自分を落ち着かせる言葉をつぶやくことだといいます。「気持ちが落ち着く言葉を自分に投げかけてみてください。『大丈夫、大丈夫』『何てことはない』など、一種の呪文のようなもので、どんな言葉でもかまいません。例えば、大切なお子さんの名前をつぶやくという方もいます。いざというときに備えて、ふだんから考えておくとよいでしょう。」

 また、強い怒りが生じてしまったときには、取り返しのつかないことになる前に怒りの「原因」から身を離すことが賢明です。「とにかくその場(その人)から離れましょう。同じ場所に居続けても状況を変えることは難しいので、離れることです。」

 一方、「キレ」られてしまったほう(怒りを向けられるほう)は、どう対処するのがよいのでしょうか。「まず、まともに言い返さないこと。怒りを爆発させている人には基本的に正論は通じません。会話にならないので、話をしたいのなら時間を置いてからにします。怒りの言葉を浴びせられたら、正面から受けて立つのではなく、話を聞き流すこと(聞いているふりでもかまいません)が一番の対処法です。」

■図 怒りのピークは最大で6秒

■図 怒りのピークは最大で6秒

自分の「怒りのパターン」を知ることが予防に

自分の「怒りのパターン」を知ることが予防に

 怒りの感情は誰でも抱くものですが、感情のままに怒りをぶつけて後悔したという経験もまた誰にでもあるでしょう。そんな後悔をしないために、予防法はあるのでしょうか。

 「自分がどんなことに怒るのか、観察して知っておくことをおすすめします。怒りやすいのは朝が多いとか、電車に乗っているときであるとか、自分がイライラしたときにメモ書きでいいので記録してみてください。すると、時間帯や行動、環境など何らかのパターンが見えてきて、自分がどんなとき『キレやすい』のかがわかります。パターンが分かれば、何かを避けたり、いつもと違うことをしてみたりと、怒りを予防することができるようになります。」(安藤さん)

 また、すでに述べたように、心に柔軟性を持つことも大切です。「人は、自分が信じていること(何々すべき)が裏切られたときに怒りを感じます(前ページの図を参照)。他人の行動を目にしたときに、①自分と同じ、②少し違うが許せる、③許せない、という3つの感じ方があって、『べき』の許容範囲は人によって異なります。心の柔軟な人は『少し違うが許せる』が広く、反対にこの部分が狭い人は怒りっぽいといえます。『少し違うが許せる』の部分を拡げる努力をすると、日常的にイライラすることが少なくなり、周囲とのコミュニケーションが良好になっていきます。」

 さらに、本人の力だけでなく、周囲の人の「存在」も重要な予防手段になります。「ご家族など周囲の方は、ご本人の『たが(箍)』になってください。『誰々がいるからヘタなことはできない(迷惑をかけてしまう)』と思ってもらうこと。そのためには、孤立させないよう、常にその方に関心を払って、関わりを持ち続けることが大切です。」

■怒りの爆発を避けるために!

【その場で】

  • ・6秒待って、怒りのピークをやり過ごす。
  • ・心を落ち着かせる言葉をつぶやく。
  • ・その場(原因)から離れる。
  • ・(相手が怒っている場合)正面から反論しない。

【予防法として】

  • ・記録を取って、自分の怒りのパターンを知る。
  • ・心に柔軟性を持つ(許せることを増やす)。
  • ・家族など周囲の人が、本人の「たが(箍)」になる。

怒りのコントロールはなぜ必要?

 一般社団法人日本アンガーマネジメント協会では、怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニングを行っています。対象は個人だけでなく、企業や地方自治体、教育の現場など多岐にわたります。私たちは日常、さまざまな感情を感じていますが、特に「怒り」に注目するのはなぜでしょうか。

 「『怒ると健康によくない』というのは本当で、怒りは心臓や血圧に密接に関連する感情であることがわかっています。個人のレベルで、日常生活において怒りの感情と上手に付き合っていくことが大きな意味を持つ理由です。

 また、社会全体においても、怒りのコントロールは重要です。怒りは伝染します。例えば、会社で怒られた人は、家庭でその怒りをぶつけます。家庭で怒りをぶつけられた人は、さらにお店や病院、学校などで怒りを爆発させます。このような『怒りの連鎖』を断ち切る必要があると私たちは考えています。

 ただ、怒りの感情はごく自然なことです。怒りをコントロールするのは『怒らなくなること』が目的ではありません。怒る必要のあることは上手に怒る、怒る必要のないことは怒らなくて済むようにする。怒ったからといって、他人や自分を傷つけず上手に表現できるようになれば、人が人に当たらない社会、つまり、争いのない社会が実現できると考えています。」(安藤さん)

■安藤俊介さんの著作

『○×まんがでスッキリわかる もう怒らない本』

『○×まんがでスッキリわかる もう怒らない本』

「○×まんが」方式で、アンガーマネジメントの要点がスッキリわかる1冊。「怒り」をマネジメントすれば「思わずキレちゃった」という悩みも「言いたいことを言えなかった」という悩みもスッキリ解消します。

者:安藤俊介  絵:橋本くらら

出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン

発売日:2017.9.13

ISBN:978-4-7993-2166-9

価格:1,404円(税込)

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