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住まい
掲載:2017年11月15日

住まいの環境整備⑥
~ヒートショックを防ごう~

ヒートショック防止のために

 これまでお伝えしたとおり、ヒートショックを起こさないためには「部屋による温度差のない家」が理想です。極論を言えば、パッシブソーラーシステムなどを利用して、温めた空気を床下から家全体に循環させる「全館空調システム」を入れれば、家の中の温度環境を均一化させることができます。でも、これは新築でなければ行えない方法ですし、多大な費用がかかります。
 でも、大丈夫。市瀬さんによれば、既にお住まいの住居でもあまりお金をかけない改修・リフォームを行い、また暮らしの中でのちょっとした工夫によりヒートショックを防ぐ住環境づくりはできると言います。

家の中の温度差をなくす住まいの改修

家の中の温度を一定にする改修例

●断熱改修

 壁や床、天井裏などに断熱材を入れることで寒さを軽減しましょう。
 昔の家は現在と違い断熱材の基準がなく、入っていない家も多く、また、断熱材が入っていても湿気等経年劣化で痩せている場合もあるので、築年数の高い場合は、床、壁や天井を開けるときがあれば確認してみましょう。

※水廻りの床を補修するときや、手すりを設置する際に壁をはがしたときに"ついで"に断熱材の工事を行うと、一度の手間で済みトータルコストが安くなります。

●窓を替える

 熱の出入りがいちばん激しい窓を保温性の高いものに改修すると、夏涼しく、冬は暖かくすごせます。冬の結露防止にも効果的。方法は次の2つをお勧めします。

 ①ガラスが2枚合わさった間に乾燥空気が入った「ペアガラス」に変える。

 ②既存のサッシの内側にもう1つ「内窓」を取り付け、「二重サッシ」にする。

●陽ざしを取り入れる

 天窓などで太陽光を取り入れると、明るく、暖かくすることができます。

※夏は暑くなりすぎることがあるので注意が必要。

●浴室乾燥機の新設

 寒い浴室を温める機器を新設。扉を開けておけば脱衣所まで暖かくすることができるので、ヒートショック対策にかなり有効です。

※機器の設置の他、配管工事が必要となり、費用はおよそ40万円以上。比較的大きな改修。

●浴室をユニットバスに

 断熱材を入れることができ、床、壁、天井が一体になるので暖かくなる。冷たくない床材や、お湯が冷めづらい浴槽などもあるので、浴室の環境は各段に良くなります。

※費用は安くても60~70万円程度。

小さな工夫で

各部屋の工夫

  • 新しい冷暖房機器に交換すると、性能が良くなっているので冷暖房効率があがります。
  • カーテンを分厚いものにして温度を保つ。また、カーテンボックスなどをつけてカーテンの上下から空気が抜けるのを防ぐと、保温効果があります。

入浴時の工夫

  • 脱衣所に温風ヒーターなどを設置して脱衣所や浴室を暖め、居間との温度差をなくします。
  • お湯を張る時にふたを開けて蒸気で浴室を暖める、シャワーでお湯を張るのも効果があります。
  • 入浴前に壁や床にお湯を回しかけて温めておきます。

暮らしの中での工夫でも

暮らしの中の工夫

  • 41度以下のぬるめの温度で入浴しましょう。
  • 早朝や深夜などの血圧が低い時間帯、飲酒後や食事直後など、血圧に変動がある時には入浴を避けましょう。
  • 万が一の時の気づいてもらえるよう、入浴する時にはご家族に一言声をかけておきます。
  • 一人暮らしで不安がある高齢の方は、ヘルパーさんが来ている時に入浴します。銭湯を利用する、デイサービスで入浴するなども良いです。

環境整備は専門家に相談して効率良く

 住宅の改修を行う際には、さまざまな助成制度があります。残念ながらヒートショック対策の支援制度はありませんが、介護保険による住宅改修費の支給、高齢者住宅改修費の助成制度、省エネに関する助成制度などは行われています。例えば、介護保険の住宅改修を使って便器の取替えや手すりの取付け工事で床や壁をはがす場合、断熱材を入れる工事を合わせて行えば、トータルコストを抑えることができます。

住まいの整備を支援する制度の一例

  • 介護保険による住宅改修費の支給
  • 高齢者住宅改修費の助成制度(各自治体により内容は異なります)
  • (一社)環境共創イニシアティブの省エネ改修(断熱リノベ)(平成29年度)
    ⇒高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業。
  • 国土交通省の長期優良住宅化リフォーム推進事業(平成29年度)
    ⇒劣化対策、耐震性能、省エネ性能維持管理性能など、長期使用のための性能について一定の要件を満たす場合の助成。

条件によって異なる対応

 ご紹介したヒートショック対策になる改修やリフォームの例も、何をすれば効果があがるのかは、家の状態や立地、間取りなどによって変わってきます。まずはヒートショックを含めた住環境の悩みと希望を整理して、建築士などの専門家に相談してみましょう。
 「改修は、家全体を考えた時のバランスが大切です。壊れそうな古い浴室に暖房乾燥機をつけても、あまり意味がありません。家の中の温度差をなくすにもいろいろな方法がありますので、建築士などへのご相談をおすすめします。希望を伝えれば、使える支援制度についての話や、『こことここの工事を一緒にした方が得ですよ』とか、『こちらの方が緊急です』とかいったアドバイスをしてもらえるはずです。最近では耐震改修で床、壁、天井をはずす際、断熱改修を行う方も多いようです。全てのアドバイスに従わなくてはならないわけではないので、まずはプランの提案をしてもらうと良いと思います。
 リフォームでここまで費用が掛かるならと、建て替えにする方もいらっしゃいます。確かに費用は掛かりますが、いちばん大切なのは『介護を必要とせず、元気で長く生きる』ことです。事故が起こってしまう前に、家の中の温度差についてもよく考えていただきたいと思います」。(市瀬さん

 これまで当たり前と受け止めていた脱衣所やお風呂場、北側の部屋などの寒さは、ぜひ見直しを。この機会に、一年中快適で元気に過ごせる環境づくりを考えてはいかがでしょうか。

 
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住まいの環境整備⑥ ~ヒートショックを防ごう~

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