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くらしすとEYE
生きがい・社会参加
掲載:2017年4月14日

高齢者と子どもがともに過ごす時間

 

「地域の寄り合い所」から「地域づくり」へ

誰もが立ち寄れる場所に

 これまで高齢者と乳幼児を対象にしたサービスを紹介してきましたが、「地域の寄り合い所 また明日」の最大の特徴は、地域の人たちの拠点づくりを目指している点です。「地域の寄り合い所」とは、誰もが気軽に立ち寄り、地域の人同士で交流することができる場所を意味しています。利用料はお茶代程度。授業を終えた小学生を中心に、花を飾りに来てくれる近所の人や散歩途中に立ち寄る人、地域でさまざまな活動をしている人たちなど、年齢も立場も異なる人たちが入れ替わり立ち替わりやって来ます。
 この日は小学5、6年生の女の子のグループが宿題をしたり、保育士を手伝って小さな子の面倒をみたり。「一人っ子」や「末っ子」にとっては、自分が「お兄さん」「お姉さん」として振る舞うことができる絶好の機会。この日、来ていた小学生の女の子は、自分より小さな子の面倒をみられることが「うれしい」と明るい表情で話します。
 保育士さんは、「子どもたちは、大人から世話されるだけでなく、自分より年下の子に目を配っていて、楽しそうに手を貸してくれます。私たちも助かりますし、子どもたちにとってもよい環境だと思います」と話します。子育て中の職員は、夏休みなどに子どもを連れて来て、ここで時間を過ごさせることもあるそうです。
 寄り合い所の訪問者は1日平均5~6人とのことですが、この日は学校帰りの小学生を中心にもっと多くの人が集まっていました。開設当初は、幼くてお母さんに連れられて来ていた子どもたちが、やがて成長して1人だけで来るようになり、さらにその兄弟姉妹、友だち、そして隣の公園で遊んでいる子どもたちを連れてくるなど、次第に小学生が集まるようになったということです。


さまざまな世代が入り混じる。奥では園児がお昼寝

地域の問題を地域で解決していくきっかけに

荷物を預けて隣の公園で遊ぶ小学生
荷物を預けて隣の公園で遊ぶ小学生

 このようにさまざまな機能を持った施設ですが、「寄り合い所がこの施設の中核です」と和道さんは言います。「例えば、認知症の徘徊や介護疲れ、子どもの不登校など、それぞれがいろいろな問題を抱えていたとしても、地域のつながりが薄れているいま、個人が自分だけで抱え込むしかなくなっています。でも、ここが地域の拠り所になることで、いろいろな人たちがこの場で顔見知りになり、話をして、問題を解決できなくても、ある程度共有できたらいい。ここがあることで地域のつながりが生まれ、地域で問題を解決していくためのきっかけになれば、という思いでこの事業に取り組んでいます。」
 午後3時を過ぎたころ、小学生の男の子のグループがやって来て、施設内がにぎやかになると、「今日はお天気がいいから、あなたたちは外で遊んでらっしゃい」と眞希さん。まるで大家族のお母さんのようです。さまざまな人の出入りがあり、職員はそれぞれの仕事をしながら動き回っているのですが、施設内の時間の流れはゆったりとしていて、初めての訪問者にも心地よく感じられます。
 法人名にある「また明日」には、「世代を超えた交流の中で互いに元気づけられて、自然と『また明日も頑張ろう』と感じることができるようになる、そんな地域づくりをしたい」との思いが込められているといいます。眞希さんは、「世代だけでなく、性別、国籍などいろいろな垣根を超えて、誰もが集い、交流できる寄り合い所が目標」だと付け加えます。
 子どもから高齢者まで、さまざまな世代の人たちが同じ空間を共有していると、一緒に何かをしているわけではないのに不思議な調和が生まれます。こうした場所が、今後、私たちが目指す「地域」のヒントになるように思われました。

「NPO法人 地域の寄り合い所 また明日」 公式ウェブサイト
http://www7b.biglobe.ne.jp/mata-asita/

 国では、地域内で住民がお互いを支え合う力の強化が必要だとして施策の検討を始めたところですが、自治体の動きはまだまだ十分ではありません。一方、「自分の住む地域は自分たちの力で支える」との思いから、住民が率先して動き始め、進められている取組みも少なくありません。皆さんの身近な地域でも、そのような動きは始まっているかもしれません。一度、周囲を見回してみてはいかがでしょうか。

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