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くらしすとEYE
生きがい・社会参加
掲載:2016年12月15日

生きがい発見! セカンドライフ④
〜男だって料理は楽しい〜

 これまで職場が中心となっていた生活は、退職を機に大きく変わっていきますが、職場という活動場所がなくなることに不安を感じる方もいるかもしれません。でも、変化は大きなチャンス。家庭を生活の基本にしながら、同時にその外にも活動の場を広げていく絶好の機会です。シリーズで、退職後のさまざまな活動の場をご紹介します。

共感が広がる「男の料理」

男性が料理を楽しめる「場」が増えている

 近年、「男の料理」に対する社会的イメージがアップし、好感・共感の輪を広げています。これを受けて、さまざまなところで男性を対象にした料理教室が開催されています。「男性」「初心者」など参加者を限定し、「何も知らなくて恥ずかしい」という抵抗感を和らげる工夫で、多くの人を集めているということです。
 料理学校のレッスンはもちろん、地方自治体の高齢者担当課や男女共同参画担当課がそれぞれの目的で主催する初心者教室、また、各地の社会福祉協議会の援助を受けて自主的に行うサークル活動など、その目的や参加の条件、費用もバラエティに富んでいます。
 みなさん、どのような思いで料理を始め、どのように楽しんでいるのでしょうか。今回は、東京都世田谷区を拠点に退職世代が活動する料理サークル「おとこの台所」を訪ね、男の料理の楽しみ方について伺いました。

つくって食べて、後片づけ、ごみの始末まで

 「おとこの台所」の活動日——朝9時過ぎ、世田谷区の「松原ふれあいの家」に男性たちが集まってきます。到着すると材料費500円を納め、エプロンと三角巾や和帽子で身支度。9時半にはミーティングが始まり、レシピを事前に学習した「厨房担当」が段取りやポイントを説明すると、メンバーたちは熱心にメモをとっています。
 このサークルの自慢は、家庭で日常的につくる料理よりも"少し手が込んだ"オリジナルレシピ。この日のメニューも、「松の実ご飯」「鶏ドラムスティックのオレンジ煮」「カキのバルサミコソース」「キャベツの蒸しサラダ」と、しゃれた4品。
 ミーティングを終えると「男の料理」のスタートです。

 早速、「キャベツの蒸しサラダ」から調理に取りかかります。分担を決めたわけではないのに、いつの間にかそれぞれが何かしら仕事を始めています。包丁など限られた数の道具は譲り合って使います。ほかの人のやり方を見ながら感想などを語り合い、真剣に、そして楽しそうに料理を進めます。

 続いて「松の実ご飯」「鶏のオレンジ煮」へ。すっかり手慣れた包丁さばき、あるいは、ちょっとぎこちなさの残る手つきで、オレンジの皮を剥き、刻んでいきます。流れを見てそれぞれが自然に役割を担い、厨房担当は質問に答えたり必要な注意点を伝えたりするだけで、特に「命令」はしないのが特徴です。

 チキンに焼き目を入れています。同時にその裏では、カキの下準備も。厨房担当をはじめ、古株の"先輩"たちの動きを見て、料理歴が短い"後輩"たちも段取りを覚えていくようです。

 午後12時、パーティー料理のような美しい盛り付けで料理が完成しました。温かいほうがおいしいものは温かいうちに出します。いつも予定時刻通りに仕上がるのだそうです。お見事!

 OBや友人・家族などのゲストも迎えて、いよいよ料理に舌鼓。自分たちがつくった料理がどんな味になったのか、楽しみな瞬間だそうです。おいしい料理に会話もはずみ、豊かな食卓です。

 あっという間にお皿が空になり、一服すると全員で一気に片付けを行います。最後のゴミの始末まですべて自分たちの手で行うのが「おとこの台所」の流儀です。

自由、フラットがモットー

 「おとこの台所」は、世田谷区社会福祉協議会の支援を受けて平成14年に発足しました。現在は約320名に会員を増やし、区内9か所で活動するまでに発展しています。会員の最高齢は91歳で、平均年齢は約72歳。入会時、ほとんどの方は料理経験がなかったそうです。月に2〜4回の定例会を開催、依頼に応じて障がいのある人たちと料理を楽しむボランティア「出前シェフ」や、「こども食堂」への協力など活動を広げています。

 モットーは「オープン・スタンス、自由、フラット」。参加は「自由」なので、入会金も年会費もありません。当日の参加費500円で材料を調達して料理し、食べて片づけまで行うシステムを14年間貫いています。代表を務める名取さんにお話を伺いました。

 「私たちの特徴は、一言で言えば『敷居が低い』です。企業人だった時代には、嫌というほど上下関係や規則に縛られていましたが、リタイアした後まで縛られたくないわけです。ですから、過去を語らず、プライベートについて聞かないのも暗黙のルールです。昔、会社で偉かったかどうかなどは、ここでは関係ありません。会の10周年を機にアンケートをとって平均年齢などがわかったのですが、それまでは個人のことについては聞いていませんでした。

 各台所には、代表や厨房担当、広報担当、会計等のスタッフは存在しますが、上下関係は一切ありませんから、命令はしないし、されません。やりたければ自分から積極的に参加すればいいんです。ただ、料理をしますので衛生面は徹底し、材料を無駄にしないために出欠確認だけはしっかりお願いしています。『定例会に来ることは覚えておいてね。認知症予防になるでしょう』と(笑)。」(名取さん)

 次のページでは、サークルに参加している皆さんの感想をお聞きします。

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