2ラージボール卓球が詳しくわかるエトセトラ

 ここでは、ラージボール卓球における疑問点や健康維持の理由、また面白い小話をQ&A方式でご紹介しています。

Q.ラージボール卓球の始まりって?

A.そもそものきっかけは約30年前に遡ります。当時、ゲートボールが多いに盛り上がりをみせるなか、卓球も、普及発展型の生涯スポーツとしての魅力を開発できないものか、と考えられたのが始まりです。当時、国際卓球連盟会長であった荻村伊智朗氏が、卓球用品の総合用具メーカー、日本卓球株式会社(ニッタク)に、「未経験者でも手軽に楽しめる卓球ボールを開発してほしい」と依頼したことがラージボール卓球の起源です。ラージボール卓球は1988年に誕生した、日本オリジナルのスポーツです。今では、日本から飛び出し、韓国やグアムでも人気が徐々に出てきています。今後はアジア全土、やがては世界にも広がっていくことが見込まれます。

 

Q.ボール&ラケットの開発にはどんな苦労があった?

A.ボール開発に乗り出したニッタクは、ボールの大きさに試行錯誤しました。40、40.5、41…100mmと、0.5刻みでサイズを試作。型1種類につき、相当なコストがかかったというのですから、金銭的にも大変な開発だったことが想像できます。さらに、サイズだけでなく、重さの改良も必要でした。プレイヤーが体を痛めることのない重さにするために、硬式卓球のボールより大きいボールを軽くするにはだいぶ苦心したそうです。オレンジカラーに至るまでも、色々なカラーを試したそうです。ラケットもボールと同時進行で開発が行われ、なんと、1年足らずで、専用のボール、ラケットを完成させたというのだから、その開発努力は並々ならぬものがあったといえるでしょう。

Q.卓球人口が増えたのは、実はタモリさんのおかげ?

A.卓球に対して、皆さんどんなイメージをお持ちでしょう? 今どき、「卓球は暗いスポーツ」なんて思っている人はいないでしょう。実は、このラージボール卓球が始まった今から30年前ぐらいは、「卓球は根暗」という言葉が流行語として日本中を席巻していたのです。というのも、シンガーソングライターである織田哲郎氏が「笑っていいとも!」というテレビ番組に出演した際、「卓球部でした」という言葉に、タモリさんが「卓球って根暗だよね」と返したことで、日本中にそのイメージが広がったのです。

 この事態を重くみた当時の日本卓球協会専務理事であった荻村伊智朗氏が『日本卓球発展計画プロジェクト』を発足して、ボールやウエア、卓球台など用具のカラー化を図り、今色々なカラーのユニフォームがあるのも、こうした流れからでした。そのプロジェクトの一貫としてラージボール卓球も生まれたのです。タモリさんの何気ない一言がきっかけとなり、また時代をほぼ同じくして、"泣き虫愛ちゃん"で親しまれた福原愛選手の登場によって、日本の卓球界は大きな変換期を迎えたのです。

Q.全国ラージボール大会って誰でも参加できるって本当?

A.本当です。参加したいと思った人は地区予選なしで、誰でも参加できます。始めたばかりの人でも出ることができる全国大会なのです。年に1回行われるこの全国ラージボール大会は、世代別、シングルス、タブルスなど色々分かれており、4日間にわたって開催されます。今年2016年で第29回、来年2017年は第30回を迎えます。第1回参加人数は70人ほどでしたが、年を重ねるごとに参加人数も増え、第10回の札幌大会では、すでに約1,600人が参加されたそうですが、試合だけでなく毎年違う場所で開催されるため、観光も楽しみのひとつ、と言う方も多いそうです。

 また、全国大会の魅力は、負けても1試合で終わらないことです。数人で分けられたグループ内で、リーグ戦(総当たり戦)を行い、勝ったグループの1位、2位、3位でトーナメント戦(勝ち抜き戦)を行う仕組みとなっていて、最低でも3〜4回は試合に出場できる楽しさがあります。全国から集まった様々な人と、数回試合できることも、この大会の大きなポイントです。

Q.ラージボール卓球に必要なものと費用を知りたい!

A.先のページでご紹介した、専用ボールとラケットは必須です。ボールは1個あたり360円程度、ラケットはピンキリです。安いものは、ラバー付きで5,000円前後でありますし、上は板だけで3万ぐらいのものもあります。ですが、おすすめは、ラケットで1万前後。ラバーで5,000円前後。合わせて、1万5,000円くらいのラケットがおすすめです。ラバーは、最初、卓球専門店で貼ってもらいましょう。

 また、服装は大会であれば、指定のものが必要ですが、趣味の範囲であれば動きやすいもので構いません。実は、シューズは初期段階は動きやすい物を、もし本格的に続けるのであれば、ラージボール専用のシューズを購入することをおすすめします。というのも、ラージボール専用のシューズはつま先が上がっていて、つまづきにくく、ケガ予防にもなるからです。

 他には各会場、スポーツ施設に支払う金額が別途かかります(ボール、ラケットを貸し出してくれるスポーツ施設もあります)。

Q.ラージボール卓球のルールって?

A.ラージボール卓球は通常の硬式卓球に比べて、2㎝高いネットを使用します。さらに、大きくて軽いボールにより、ラリーが続くよう工夫されています。基本的なルールは硬式卓球とほぼ同じです。試合は3ゲームマッチで2ゲーム取った方(11点先取)が勝ちです。ゲーム数が少ないため、短時間で終わることも、高齢者向きである理由です。

Q.卓球が様々な病気予防になるって本当!?

A.脳の前頭葉が刺激され、血流が促進することによって、心筋梗塞や認知症予防になるというお話は前ページでもしました。他にも糖尿病予防や、生活習慣予防など、様々な健康効果が期待できます。医療機関では「卓球が健康に役立つ」様々な研究結果が発表され、なかでも高齢になっても無理なくトライしやすいラージボール卓球は医療が積極的に推奨するスポーツの1つです。

 ボールを追う瞬発力、状況判断力、即効的な動きも必要、かつ、相手の攻撃パターンを記憶する、思い返すための記憶力など、あらゆる角度から脳を刺激し、ともに五感を刺激することで得られる健康メリットは大いにあると言えます。

ラージボール卓球にはすぐに始められて楽しめる魅力がいっぱいです。
気軽にトライして、スポーツする楽しさを体感してみましょう。

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