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くらしすとEYE
介護
掲載:2015年11月15日

離れたところから老親を見守る②
〜コミュニケーション重視の会話型見守りサービス〜

  ①電話での

 「離れて暮らす親のことが気になって」「まだまだ元気だけど、親に"もしも"のことがあったら」。離れているだけに、高齢になった親の"もしも"に不安を感じている方は少なくないでしょう。そんなときに利用できる「見守りサービス」の現状について、前回に引き続きご紹介します。

「会話型見守りサービス」とは?

 今回は、より見守りの度合いが強いサービスとして、「会話型見守りサービス」をご紹介します。このサービスは、電話を利用して係員が定期的に高齢者(見守られる側)と会話して健康状態などをチェックするもので、場合によっては、テレビ電話や訪問などによってより詳細に状況を確認してくれるサービスもあります。報告は、メールや電話などを通じて離れて暮らす子どもや家族(見守る側)に伝えられます。
 会話や対面によって高齢者の様子をチェックするため、詳細な状況を、本人から直接確かめることができるのが大きな特徴です。前回ご紹介したガスなどの使用量を確認できるサービスに比べると、より詳しく知ることができるというメリットがある一方で、コストはより大きくなり、それに応じて確認の頻度が少なくなることも考えられます。
 なお、このサービスでは、「見守り」と同じように「会話」という要素が大きな意味を持っており、それを目的にサービスを利用するケースもよくあります。会話を行うという性格から、次のような特徴があります。

●外出が困難な高齢者に

 日頃、人との交流が少なく、会話をする機会があまりない高齢者に適しています。見守りサービスは基本的に自立高齢者を対象としていますが、生活は自立できていても、外出に困難を感じる高齢者は少なくありません。話をしたくても、外出がままならず機会をつくることが難しいという高齢者には最適です。

●親の生活への理解

 安否だけでなく、会話の内容を詳しく報告してくれるサービスもあります。親子では話さないような内容が子どもにも伝わるため、親の生活に対する理解が深まります。これをきっかけに対話や訪問が増えることが考えられます。

●社会の一員という認識

 高齢者にとっては、決まった日に必ず連絡があるためスケジュールに予定ができ、生活に張りが生まれます。また、自分の思いを話し、それが人に受け入れられることで、自分が忘れられてはいないという認識を持つことができます。

機器ではなくコミュニケーションを重視

神山晃男さん
神山晃男さん

 では、具体的にどのようなサービスがあるのでしょうか。今回は、「会話型見守りサービス」の一例として、株式会社こころみが提供する「つながりプラス」をご紹介します。同社の神山晃男さん(代表取締役社長)にお話を伺いました(サービスの概要は記事掲載時のもの)。

●電話で会話、その内容をメールで送付

 「つながりプラス」は、同社の担当者(コミュニケーター)が離れて暮らす高齢の親(見守られる側)に電話をかけ、その内容を子どもや家族(見守る側)に伝えるサービスです(を参照)。担当者は週2回、電話をかけて親と10分ほど話し、その内容をその日のうちにレポートとして子どもにメールで伝えます。レポートでは、対象者のありのままの姿を示すことを重視し、会話の口調を文字に再現しています。
 「コミュニケーターがお子さんに伝えるのは『お元気なご様子でした』といった通りいっぺんの報告ではなく、親御さんが話されたことをすべて語り口調で書き起こしたものです。そのままをお子さんに読んでいただくほうが、どんなふうに元気なのか、あるいは、そのときの親御さんのご心情や日々感じていらっしゃることなどがよく伝わると思うからです。」(神山さん)
 サービスは日本全国どこからでも利用可能。また、特別な機器の設置が必要ないため、親が電話を受け、子どもがメールを受信できる環境があれば、すぐに開始することができます。気になるコストは、基本プラン(週2回の親への電話+報告レポート)が月額8,000円、ライトプラン(週1回の電話+報告レポート)が月額4,900円。他に、入会時に入会金(登録料、初回訪問等)1万円が必要です(すべて税別)。

■図 「つながりプラス」のしくみ

図 「つながりプラス」のしくみ

〈「つながりプラス」公式ウェブサイトより〉

●担当者との顔合せを必ず実施

 センサーなどの機器を利用したサービスではなく、"人と人との直接の会話"がこのサービスの大きな特徴ですが、それだけに、電話をしてくれる担当者がどのような人なのかがわからなければ不安な気持ちにもなります。そこで「つながりプラス」では、利用の申し込みの際、まず担当者と親とが対面する機会を必ず設けています
 「親御さんのご自宅、またはご近所を訪問し、コミュニケーターがお目にかかって2時間ほどお話をし、生い立ちやご趣味などをお聞きしながら、電話での会話の概要をご説明しています。もちろん、ご希望があればお子さんにも同席していただいています。必ずこの段階を経たうえで、見守り電話のサービスがスタートします。サービスが始まると、親御さんのご都合がよろしい曜日・時間帯に電話をかけます。訪問で顔見知りになった担当者が電話をしますので、自然に会話が生まれます。」(神山さん)

●傾聴や対話の訓練を受けた「コミュニケーター」

 毎週の電話は、同じ担当者がかけることになっています。その役割を担うのが「コミュニケーター」と呼ばれるスタッフで、「独自の研修を修了した"コミュニケーションの専門家"です」と神山さんは説明します。
 「傾聴、対話をはじめ、お子さんへの報告を目的とした情報収集の方法論、認知症発見のための会話術、レポートの記述に関する訓練などを社内で行っています。そのうえで、1級から3級まで当社独自の資格制度を設けており、実技試験と筆記試験に合格した者だけがコミュニケーターになることができます。」(神山さん)

●親の暮らしぶりがわかる「聞き書きレポート」

 電話ごとに毎週2回、会話の内容はすべて「聞き書きレポート」として子(見守る側)にメールで届けられます。子どもはこれを読むことにより、その都度、親の暮らしぶりに触れることができます。
 また、会話の雰囲気や話し方から、心身の変化が推測された場合、担当者はそのことも報告します。万一、緊急で伝えるべきことがあった場合は、別途電話で伝えてもらえます。さらに、オプションメニュー(別料金)で「安心駆け付けサービス」(家族からの依頼に応じて親の自宅にスタッフが駆け付けるサービス)や「認知症早期発見レポート」などのサービスを加えることもできます。

 次のページでは、会話型の見守りサービスが、親子関係にどのような影響をもたらすのかについてご紹介します。

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離れたところから老親を見守る②
〜コミュニケーション重視の会話型見守りサービス〜

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