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くらしすとEYE
介護
掲載:2015年3月13日

"遠距離介護"のかたち その① 遠距離介護の実態

  離れて暮らす老親と子の姿


 核家族化が進んで久しく、独立した子が親と同居する世帯が減少した現在、離れて暮らす親を心配している方も多いのではないでしょうか。介護が必要な年齢にさしかかる親と離れて暮らす子たちの本音とは? 平均寿命が延び、「老後」が長くなって病気や介護の心配が増えるなか、離れた場所から介護を必要とする親をどう支えられるのかを考えてみましょう。
 "遠距離介護"という言葉を提唱し、NPO法人「パオッコ」で離れて暮らす老親ケアの情報支援を行っている太田差惠子さんに、お話を伺いました。

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NPO法人「パオッコ」
理事長・太田差惠子さん

"遠距離介護"とは?
 "遠距離介護"とは、文字通り、遠くから老齢の親を介護することを表していますが、太田さんは、この「遠距離」の意味は多岐にわたるといいます。
 「私がこの言葉を最初に使ったのは1998年頃でした。その頃は、東京には地方出身者が多く、『故郷にいる親=遠距離』という物理的な距離のイメージが強かったと思います。でも、その後20年近くが経過し時代が変わる中で働く主婦の方が増えてきて、神奈川と東京でも2時間以上かかれば時間的に遠距離だと感じている方もいらっしゃいます。また、同じ都内にお住まいでも、出張などで忙しくてなかなか会いに行けない方や、心の距離があって親を遠くに感じている方も『自分は遠距離介護だ』とおっしゃいます。このように思われる方が増える中、言葉の範囲が広がってきていると思うのです。
 少し曖昧ですが、物理的な距離・時間・心の距離について、ご自身が親と遠いと感じたら、"遠距離介護"であると考えています」。(太田さん)

 厚生労働省による「平成25年国民生活基礎調査」によると、単独・夫婦のみの世帯を合わせた高齢者だけの世帯が50%以上を超えています(下図参照)。高齢者の約半数が"遠距離介護"の状態、またはその予備軍であるということができるでしょう。

■図 家族形態別にみた65歳以上の者の構成割合

図

<厚生労働省「平成25年国民生活基礎調査」>

不安は介護のことだけではない
 離れて暮らす子にとっては、歳を重ねる親への心配は尽きません。太田さんによると、パオッコ会員からは、主に①健康面 ②安全面 ③金銭面 への不安の声が多く挙がるそうです。

◆離れた親の生活で気がかりなこと〜パオッコ会員アンケートより〜

●今よりも健康状態が悪くならないか
●火事を出したり、予期せぬ事故を起こしてご近所に迷惑をかけたりしないか
●誰にも連絡できないままに具合が悪くなって、孤独死したりしないか
●親の暮らす地域に親を支えてくれる協力者がいるか
●生活費など金銭的に困ることにならないか
●金銭管理ができなくならないか
など

 「今後、健康問題が出てきて支援が必要になったら、親だけで暮らせなくなるということに対する不安がいちばん多いですね。『とにかく今のままでいてほしい』という気持ちでしょうか。認知症で火事を出してしまうということも起こり得ますし、周りからクレームがくれば一人での生活は難しくなります。起こりうることですが、気付いた時には、ひとりで亡くなっていたということは避けたいということを、みなさん気にされています。また、本当に多くの高齢者が悪徳業者に騙されているので、お金が足りなくなるとか金銭管理という部分にも用心が必要になっています。」(太田さん)
 自分の親が悪徳業者に騙されて、お金が足りなくなるとかいう金銭管理の部分にも、老親と離れている子たちは、親の暮らしを常にきにかけていることがわかります。気にかかる事柄に個人差があっても、「親が心配」という点においては、皆同じなのでしょう。

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