HOME ≫ くらしすとEYE ≫ エトセトラ ≫ 臓器提供を考えてみる ≫ ①臓器移植を正しく知る
くらしすとEYE
エトセトラ
掲載:2013年9月15日

臓器提供を考えてみる

  臓器移植を正しく知る

移植できる臓器は限られている

【臓器移植とは何か】
 臓器移植とは、重い病気や事故などにより臓器の機能が低下し移植によってしか治療できない人に対して、他の人の臓器提供により移植を行う医療です。いったん失われた臓器の機能を取り戻すことは極めて困難です。そこで他の人の健康な臓器を移植して、機能を回復させます。
 臓器移植には、家族からの肝臓、腎臓などの部分提供による生体移植と、亡くなった人からの臓器提供による移植があります。いずれも第三者の善意による臓器提供がなければ、成り立たない医療です。
 亡くなった人からの臓器提供は脳死後、あるいは心臓が停止した死後に行います。「脳死」とは、呼吸・循環機能の調節や意識の伝達など、生きるために必要な機能を司る脳幹を含む、脳全体の機能が失われた状態を指します※。現在の医療では回復することはなく、多くの脳死患者は数日以内に心臓が止まります。日本で事故や病気で亡くなる人は毎年約110万人ですが、その1%弱の人が脳死から亡くなると推定されています。

※脳死と"植物状態"とは異なるものです。植物状態は脳幹の機能が残っていて、自ら呼吸できる場合が多く、回復する可能性もあります。

【臓器移植できる臓器】
 臓器移植できる臓器は、心臓、肺、肝臓、膵臓、腎臓、小腸に限られます。臓器提供者をドナー、移植候補者のことをレシピエントといいます。レシピエントは一定の基準をもとに選ばれます。

表1 臓器移植のレシピエント選択基準と平均待機期間、生存・生着率

(平均待機期間、生存・生着率は2011年12月31日までに国内で移植を受けた人のデータ)

  レシピエント選択基準 平均待機期間
(登録日から移植日まで)
1年生存・生着率 5年生存・生着率
心臓移植 血液型、虚血許容時間(4時間)、医学的緊急度、待機期間など。18歳未満の待機者は優先度が高くなります。 961.8日 97.4% 95.4%
肺移植
心肺同時移植
血液型、肺の大きさ、虚血許容時間(8時間)および待機期間、術式など。 986.8日 83.2% 生存率72.9%
生着率69.9%
肝臓移植 血液型、虚血許容時間(12時間)、医学的緊急度、待機期間など。 569.9日 生存率83.6%
生着率82.9%
生存率79.6%
生着率78.9%
膵臓
膵腎同時移植
血液型、HLA型ミスマッチ数、術式、および虚血許容時間(24時間)、待機期間など。 1,234.3日 生存率94.9%
生着率
 膵臓80.8%
 腎臓91.0%
生存率94.9%
生着率
 膵臓70.0%
 腎臓88.4%
腎臓移植 血液型、提供施設と移植施設の所在地、HLA型ミスマッチ数、待機期間など。16歳未満の小児待機患者や16歳以上20歳未満の待機者は優先度が高くなります。 5,296.3日 生存率96.2%
生着率87.5%
生存率90.8%
生着率74.5%
小腸移植 血液型、体重、虚血許容時間(12時間)、医学的緊急度、待機期間など。 317.3日 82.5% 72.2%

※虚血許容時間とは、臓器摘出から移植(血流再開)までに許される時間をいいます。

臓器移植には健康保険が適用されるものも

 臓器を提供するドナーには、提供にともなう検査や手術にかかる費用の負担はありません。また、提供は"善意によるもの"との解釈が前提にあり、臓器提供に対する報酬もありません。
 レシピエントの移植費用は、平成18年4月1日より、小腸を除く臓器移植すべてに公的健康保険が適用されています。小腸移植は実績が少ないため、適用の対象にはなっていません。
 公的健康保険の対象になる場合の患者の自己負担は、かかった保険医療費の3割(小学校入学前は2割、70歳以上は1割または3割)で済みます。さらに自己負担が一定の金額を超えた場合には、超過分が払い戻される「高額療養費制度」もあります。

表2 健康保険を利用した場合の医療費(例)             平成25年9月現在

部位 心臓 腎臓
脳死移植 生体移植
医療費 3,687,300円 1,621,700円 1,035,200円
内訳 ○移植用心肺採取術
 627,200円
○同種心肺移植術
 2,860,100円
○脳死臓器提供管理料
 200,000円
○移植用腎採取術(死体)
 434,000円
○同種死体腎移植術
 987,700円
○脳死臓器提供管理料
 200,000円
○移植用腎採取術
 357,000円
○生体腎移植術
 628,200円
○生体臓器提供管理料
 50,000円

※上記費用は、移植だけに係る費用です。これ以外に入院費、検査費、薬剤費などが加算されますが、それらの費用は重症度や入院日数などにより大きく異なります。
※上記の金額は自己負担額ではなく、かかる医療費(10割)を示しています。
※高額療養費は計算に入れていません。

この記事はいかがでしたか?
ボタンを押して評価してください。
この記事の感想をお寄せ下さい。
bottom_maincontent

臓器提供を考えてみる

bottom_sidecontent
年住協サポートサービス
住環境整備促進
一般財団法人 年金住宅福祉協会
一般財団法人 年金住宅福祉協会
このページのトップへ